副業の確定申告のやり方まとめ!確定申告しないとペナルティがある?
副業をしている場合、確定申告も忘れずに行う必要があります。しかしどうやればいいのかわからない、必要な書類が分からない、あるいは「そもそも自分は確定申告する必要があるのかどうかわからない」ということもあると思います。
副業での確定申告は所得が20万円以上にならない限り、しなくても良いと考えている人が多いです。これは正解なのですが、実は20万円の所得を達成せずとも確定申告した方が住民税を考えると楽なこともあります。
分かりにくくて煩雑なイメージのある確定申告ですが、確定申告する必要があるかどうか、自分でしっかりと判断していきましょう。
この記事の目次
副業の確定申告のやり方は?
副業で確定申告しなければならないのはいくらからなのか、副業でかかる所得税は本業よりも高いなどいろいろな話を聞くことがあると思います。
まずは副業の確定申告についてやり方をチェックしていきましょう。
①必要書類をもらうには3種類の方法がある
確定申告にはまず必要書類を集める必要があります。副業であれば税金が、かからないということはなく、副業でもしっかりと税金を納める必要があるんですね。
確定申告に必要な書類の入手方法には大きく分けて3種類あります。
・国税庁のホームページからダウンロードする
・税務署に直接行ってもらう
・返信用封筒を同封して税務署に送る
手間暇を考えると一番目の国税庁のホームページからのダウンロードが簡単かつ確実と言えるでしょう。しかし税務署などに行けば、必要事項を記入するだけで納める税金がいくらになるか自動でシミュレーションしてくれるシステムも利用できます。
会計ソフトなどを利用している人は、こう言ったシミュレーションもソフトに内蔵されていることがほとんどです。しかし確定申告をしたことがない人は税務署に直接行って必要な書類を確認した方が楽かもしれません。
近くに税務署がない、時間の関係で訪れることができないという人はホームページからのダウンロードをお勧めします。
②確定申告書Bを埋めよう
確定申告をする上で必ず必要となるのが確定申告書Bと呼ばれるものです。
Aを埋める必要はないのかと思ってしまいますが、Aは給与所得や雑所得、一時所得の人が利用する申告書です。会社員やアルバイト、パートタイムの人がこれにあたります。
一方でBはそういった種類にこだわらず誰でも利用できる申告書となります。個人事業主やフリーライター、ブログ収入など確定申告書Bを利用する人は多いです。
特に副業の場合はこちらを利用する人がほとんどでしょう。
③収支内訳書、青色申告決算書を用意しよう
白色申告をする場合は収支内訳書が、青色申告をする場合は青色申告決算書が必要となってきます。これらは税務署でもらうことができるほか、ホームページでのダウンロードももちろんできます。
白色申告の方がシンプルで、青色申告は書類の用意や提出が難しいという話を聞いたことがある人もいるでしょう。白色申告は最低限の収支内訳を元に確定申告を行う一方で、青色申告は収入やかかった経費、最終的な所得などを細かく計上する必要があります。
一見白色申告の方がメリットがあるように見えますが、青色申告は受けられる控除の数が多いです。
税金の控除額が増えるということはそのぶん納める税金が少なくなるということでもあります。経費などを細かく計算する必要があるのはこのためなんですね。
年数をまたいでの赤字の繰越など個人事業主にとって知っておくと得することが多いのも青色申告です。自分がどういった副業でどれくらい稼いでるかを基に、白色と青色のどちらが適しているか判断しましょう。
④源泉徴収票も必要に
続いて給与所得がある人は源泉徴収票も必要になります。事前に源泉徴収票を用意しておく必要があります。源泉徴収票は源泉徴収後の所得税額を証明するものとなります。
給与所得がある人の他に、退職所得や公的年金を受けている人も源泉徴収を受け取る必要があります。
自分が普段源泉徴収されている人は毎年12月あるいは1月にしっかりと受け取っておきましょう。
⑤控除証明書の用意も忘れずに
控除証明書の用意も確定申告で控除を受けるために必要です。控除を受けるために領収書など、証明するものが必要です。
医療費控除や小規模企業共済金払込証明書など、自分が携わっている副業でどのような控除が受けられるかをしっかりと確認しておきましょう。
副業で確定申告する際は何が控除として扱われるかをしっかりと判断しておく必要があります。
副業で確定申告する際いくら払うことになるかは、この控除にもよるためあらかじめ対象となるものの証明書はきちんと準備しておきましょう。
⑥領収書
副業での確定申告は控除と同じく、経費として扱われる領収書も大切です。経費として扱われるものは意外に多く、この領収書を取っておくかどうかで税金の額も変わってきます。
電気代やパソコン購入費、人によっては「個人事業主をしているから人との打ち合わせも仕事のうち」ということでコーヒー代やネイルサロン代などが含まれるケースもあります。
これらの領収書も全て計算する必要があるため、普段から経費として扱える領収書はとっておきましょう。
何が経費として扱われるか分からない場合は税務署に行って直接訪ねることをお勧めします。副業の事業内容によって必要経費とみなされるものは異なります。
副業で確定申告しないとどうなる?確定申告はいつするの?
副業で確定申告しないでおくと、どのようなことが待っているのでしょうか。ネットでは確定申告してない人は意外にも多いと論じている人もいます。
確定申告せずに申告期限を過ぎてしまうと、「無申告加算税」と呼ばれる一種の罰金が課されます。所得税の確定申告は3月15日が期限となっています。
「副業の確定申告期限がいつか忘れてしまったけど納める意志はある」という場合、修正申告をすることで足りないぶんの税額を収めることができます。
この場合はペナルティを少なくすることができます。しかしどちらにせよ修正申告と言う余分な手続きを踏まなければいけないことは確かです。
個人事業主で源泉所得税を納め忘れた場合は不納付加算税が課されます。これらは期限である3月15日を1日でも過ぎた場合加算されてしまうため注意が必要です。
気になるペナルティですがこちらは副業によって本来納める税額が50万円までの場合は15%、それ以上の場合は20%となります。
税務調査が入る前に自分で修正申告をした場合はこの割合を減らすことができるんですね。
しかしこの場合も5%はかかります。確定申告せずに放置して一回でもばれてしまった場合、それまでの納付金額にこの15%や20%が加算されることになるため非常にリスキーと言えます。
「副業で確定申告してない人が多い」という意見ですが、これは結局のところあまりあてになりませんし、気にする必要もないでしょう。
どんな副業しているかによって経費や控除は変わってきます。場合によっては経費を差し引いた分、確定申告する必要が無くなったと言うケースもあるでしょう。
これは周りから見ていてわかることではありません。そのため「副業をしていて確定申告をしていない」人が一概に全て脱税をしているとは言えないのです。
副業したら確定申告いくら払う?20万円以下は申告しなくていい?
副業したら確定申告でいくら税金を払う必要があるのか、とても気になるところです。しかしこれは「副業で200万円稼いだから税金がいくら」というように収入で測ることはできません。
というのも純粋な収入、収入を稼ぐまでにかかった経費、最終的な所得、給与所得を得ているのか個人事業主なのか、源泉徴収はされているか、扶養している家族は何人いるか、など様々な条件によって大きく変わってくるためです。
①所得税を計算する必要がある
「副業すると所得税はどうなる?サラリーマンの副業と所得税の関係」(https://nomad-journal.jp/archives/5717#i-7)という記事では実際に副業にかかる税金をシミュレーションしています。
1 所得の合計を算出
2 所得控除を引く
3 所得税がいくらになるか税率を計算
4 納める所得税を計算する
という4段階によって所得税がいくらになるかを計算しています。源泉徴収されている場合は本来納める所得税と源泉徴収額の合計の帳尻が合うように収めます。
そのため源泉徴収されている人の方が天引きされている分、副業で同じ100万円を稼いだとしても確定申告の際に納める税金は、物の売買で同じ金額を稼いだ人よりも少なくなります。
ここら辺の控除や経費などが確定申告を難しくさせている原因です。単純に収入や収入から必要経費を差し引いた所得から、本来納めるべき税金は正確に計算できないんですね。
②20万円以下は申告しなくていい?
ここでよく聞くのが「確定申告は副業で20万円以下の収入だったらする必要がない」という情報です。
ここではっきりさせておかなければいけないのが先にも出た収入と所得の違いです。収入は単純に稼いだ金額、そこから必要経費を引いたものが所得です。
20万円以下の所得であれば確定申告をする必要はありません。普段の生活では収入と所得が明確に区別されることが少ないため、ここで勘違いしてしまう人もいます。
例えば副業で年に60万稼いだとしましょう。税金を納める必要があるように思えますが、経費とみなされる物に50万円注ぎ込んでいた場合確定申告をする必要はありません。所得が10万円であるからですね。
逆に副業で年に50万の収入であったとしても経費が10万円である場合確定申告をする必要が出てくることになります。これも所得が40万円であり、確定申告をするべきラインである20万円を超えていることが原因です。
一見すると上の例である60万円稼いで所得が10万円というのはものすごく損している気がしてしまいます。
しかし例えばウェブライターの場合仕事で利用しますからパソコンやパソコンラック代、仕事を家でする場合は電気代や賃貸の場合は家賃の一部なども経費としてみなされます。
パソコン代や電気代はライターでなくても結局は支払っているという人が多いのではないでしょうか。
このように「仕事に関わりがあるものを経費として計上する」ことで確定申告が必要なくなる人も多くいます。
「あの人も副業しているけど確定申告しないみたいだから、自分もばれることはないだろう」と単純に考えるのが危ない理由はここにもあります。
確定申告で副業がバレる?
確定申告によって副業がバレることを恐れる人も少なからずいます。特にダブルワークをしている人にとって確定申告でばれないのは重要な課題です。
副業がばれて本業クビになってしまっては元も子もありません。このために確定申告しなくていい仕事を探す人も多くいます。
しかし実際確定申告によって副業がバレるということはあるのでしょうか。結論から言うと残念ながら有り得ます。確定申告に会って副業がばれるケースには住民税が関与しています。
まず押さえておきたいことが、確定申告をすることで本業と副業を合わせた給与に基づいて住民税が決定されることです。
住民税の決定通知は給与所得の最も多い場所、つまり本業の会社に送られます。ここから天引きという形で徴収されています。
副業をしている人は所得も多いため、住民税も同じ会社に勤めている人よりも多く取られます。会社からすると「納める住民税が他の人より多い=副業をしている」という風に判断ができるのです。
フリーターなどで確定申告しない人もいるでしょう。しかし特に本業で年末調整をしている人はダブルワークの副業でも確定申告が必要となります。
副業をしている人でバレる可能性が高いのはこの住民税によるものが大きいです。
20万円以下の所得でも住民税の申告は必要
ここで気になるのが「副業で20万円以下の所得だったら確定申告しなくてよい」という内容です。
副業をしていても20万円以下の所得であれば、確定申告しないため住民税によってバレることはないように思えます。
確かに副業での20万円以下の所得は非課税となり確定申告の必要はありません。しかしこれは所得税の場合です。
20万円以下の所得でも住民税の申告は別途で必要となります。少し分かりにくいのですが住民税の申告は確定申告を済ませている場合する必要がありません。
つまり
・確定申告をする
・20万円以下の所得のため、市区町村の役場に出向いて所得申告をする
このどちらかをクリアしなければならないことになります。副業の所得が20万円以下の場合は、直接所得申告をすることで住民税がいくらになるか知ることもできます。
ダブルワークはそもそも本業の収入にプラスアルファが欲しいと考える人が始めるものです。しかし住民税決定通知書によって本業の会社に副業がばれてしまう人もいます。
これから副業を始めようとしている人は、本業で勤めている会社が副業を許可しているかどうか、また始めようとしている副業の所得がどれくらいになるかに基づいて、副業始めるかどうか慎重に舵取りをする必要があると言えます。
副業を完全に隠すことは不可能?
これまでの情報をまとめてみると副業を完全に隠すことは不可能なように思われます。 副業の収入の中でも給与として所得をもらうなど、一般的な会社体系になっている場所を副業先として選ぶ時は要注意と言えます。
しかし実はこの住民税決定通知書に関しても、会社側が完全に従業員が副業しているかどうか把握することは不可能です。副業がばれないようにする方法には以下のようなものがあります。
①住民税を自分で払う
わかりやすい対処法として住民税を自分で払ってしまう方法があります。副業によって高くなる住民税がなければ、住民税決定通知書によって本業の勤め先に知られることもありません。
「そんなことできるの?」と人によっては思うかもしれませんが実際の手続きは簡単です。
確定申告する際に、住民税の徴収方法を見て「自分で払う」のチェックボックスにしるしを入れるだけです。
確定申告してしまうとその時点で副業がばれるような気がしてしまいますが、実はそうではないんですね。住民税の徴収方法を自分で支払えば、当然本業の会社に届く住民税決定通知書は、本業の給与所得のみに基づいて決定されることになります。
しかし、これには条件がありこちらを選べるのはアルバイトやパートなどの「給与所得ではない」という条件があります。副業の仕事が給与所得である場合、そもそもこちらを選ぶことはできません。
「副業でバイトなどをするのはばれるからやめたほうがいい」と言われるのにはこうした理由も関係していることがわかります。
給与所得の場合は自分に選択肢が用意されないんですね。同じく公的年金の場合も、住民税を自分で納めるのは認められません。
②表向きはお手伝いやボランティアとして働く
副業が禁止されている場合でも、お手伝いやボランティアなど給与が発生しないものであれば問題ありません。アルバイトやパートのような給与所得でない場合、雑費などの名目でお給料を渡してもらうこともできるでしょう。
この場合はそもそも給料が発生していないのと同じような扱いと言えます。給料としてお金を支払ってはいないため、税金も発生しません。
「副業は給料が手渡しであればばれない」と言われるのはこちらが関係しています。しかしこちらも注意点があり、例え手渡しであっても源泉徴収など「給料を支払った」証拠が勤め先にある場合、副業はバレてしまいます。
しっかりした会社ほどそういった経理はしっかりと対応されています。手渡しでもらうから大丈夫というわけではなく、会社がどのように従業員に給料を渡しているかによります。しっかりと給料として支払われている場合結局は住民税に反映されてしまいます。
副業として働いている側が、給料の支払い方法や「表向きはお手伝いとして雇ってほしい」と言えるのはかなり稀なケースと言えるでしょう。チャンスは多くありませんが、このような方法も副業がばれることを防ぐ手段の一つと言えます。
しかしこれらの手段を講じても、何らかの制限はつきまとってくることとなります。「自分の好きな副業をバレずにやる」ことに対してのハードルは非常に高く、多くの場合自分でコントロールすることができないのが現状です。
夜の副業や手渡しの給料に関することについては以下の記事に書いてあります。
まとめ
副業の確定申告のやり方について、必要な書類や確定申告しないとどうなるかなどもふまえてまとめてきました。副業にかかる税金は分かりにくいため最初は税務署に行って尋ねるのが一番確実と言えます。
「副業で300万円稼いだから税金がいくら」というように単純な副業の所得だけでは計算できないのが確定申告の難しさです。各々の生活環境によって所得だけでなく控除や経費も変わってきます。
また現実的な観点から考えると、副業を完全に隠し通すというのは不可能と言えます。隠し通すという考えではなく住民税納付を自分でするなどひと工夫することで、ダブルワークが可能となる場合もあるでしょう。