高卒で就職するメリットは?高卒の就職に関するまとめ

不景気が当たり前になってしまった現代では、高卒での就職も自然に行われています。学費が払えない、好きな仕事に学歴が必要ないなどの理由で高卒での就職を目指す人も多くいます。
高卒での就職を目指すならおすすめはやはり抜群の安定感を誇る公務員か事務系です。社会保障も手厚く、残業や休暇のライフワークバランスを見ても優れています。
高卒で高収入を目指すのは難しく、最短の道は稼いだお金で大学に入学することでしょう。
この記事の目次
高卒女性の就職仕事ランキングと収入
女性にとって人気の職業とは何か最初にチェックしてみましょう。 世の中の職業にはどうしても男性が多い職業と女性が多い職業に分かれてしまうこともあります。
女性が就くのが当然で、なおかつ安定していることが人気の就職先であると言えます。さらにこれに高卒であることを加味すると女性に人気の仕事のランキングは
1位 公務員
2位 事務
3位 販売、サービス業
となっています。トップはほとんどこの三つで占められており、理由もわかりやすいものです。休みがしっかり保証されており、賃金も安定していて、きつい労働ではないことが人気の秘訣です。
続いて参考として女性の高収入の仕事をランキング形式で紹介します。
1位 医師(820万)
2位 コンサル業(560万)
3位 記者、編集業(540万)
4位 財務、会計(445万)
5位 貿易事務(426万)
女性の平均年収が300万から310万なのでこれらの職業は平均と比較してもかなり高収入と言えます。中でも医師の収入はダントツで2以下を大きく引き離しています。
同時に医師やFPなどのコンサルタント業には学歴がどうしてもつきものです。資格試験などもあり、受験資格に大卒(見込み)が課されることもその原因となっています。
高卒の仕事は女性のみならず、高収入を得ることは難しいと言わざるを得ません。
高卒で就職するメリットとは?
しかし一方で高卒で就職することにはメリットも数多くあります。高卒の就職率の割合はあがっており、場所や業界によっては「高卒で就職した方がいい」とまで言われるものもあります。
①学費を節約できる
大学に行かないぶん、学費を節約できるのは高卒の大きなメリットです。大学進学は卒業までにかかる時間もお金も多大です。
奨学金制度を利用して、その後の返済に困っている社会人が多くいるのも現実です。「就職する」ことをゴールに定めるのであれば高卒での就職が最短ルートと言えます。
②実地での経験が身につく
高卒で就職することで実地での経験が身につくこともメリットです。こちらは特に実力主義の業界で恩恵を受けることができます。
大学で四年学んだ人よりも高卒で四年働いた人の方がはるかに実務経験を積んでいます。これは多かれ少なかれどの業界でも言えることのため、資格が必要とされない就職先では高卒の方が有利とも言えます。
③学びながら資格を取得できる
高卒での就職は常に実践です。仕事であることから緊張感もあり、スキルと お金が身につくのも早いでしょう。最前線で学びつつ資格を取得できるのも高卒のメリットです。
「この資格は取っといて」「これはいらない」など本当に業界で役立つ資格が何なのかいち早く分かるのもアドバンテージです。
高卒の就職率はどれくらい?
続いては高卒での就職率についてです。平成30年度の文部科学省の統計によると高卒者の就職率は98.1%となっています。高卒で就職を希望する人のほとんどが就職に成功していると言えます。
女性のみで見ると97.4%となっています。工業、商業、福祉の順番に就職率が高く、どのジャンルでも95%を超えています。
高卒の就職率が一番高いのは富山県で99.9%、逆に就職率が一番低いのは沖縄県で93.7%となっています。
高校生が就職活動!高卒の就職ランキング
ここで高卒の就職ランキングをもう一度見てみましょう。
1位 公務員
2位 事務
3位 販売、サービス業
となっています。公務員の他には主に一般職と呼ばれる事務職が続いています。
この「事務」「販売」というくくりが非常に大きく、いわゆるOLはほぼ全てがここに含まれるでしょう。
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加えて高校生が就職活動する時に気をつけるべきは、就職率よりも就職してからの待遇です。大卒と違い高卒者は、高校卒業の時点では能力にあまり差異が見られません。
就職しようと思えば仕事を得ることは容易いでしょう。しかし高卒者の場合は就職してからの待遇が非常に悪い、ブラック企業に就職してしまう可能性も高いです。
ランキングでも毎年上位に入っている公務員は常に人気が高く、「公務員になりたい」と考えている高校生は平成31年度で49%でした。
このことからも高校生に圧倒的な人気を誇っているのは公務員で、その下に続く形で一般職の事務や販売業がランクインしています。
高卒フリーターの就職先でおすすめは?
続いては高卒のフリーターにおすすめの就職先についてです。高卒でフリーターとなると、なかなか就職が厳しいようなイメージがついて回るかもしれません。
確かに大卒や高卒ですでに働いている人と比べるとその選択肢は狭まると言えます。
しかし一方でフリーターは正社員にはできない時間の使い方や、自分に対しての投資が生きるのも事実です。
「フリーターをしながら独立への道を探している」という人は今も昔も多くいます。イラストレーターや漫画家などはその最たる就職先と言えるでしょう。
一方で正社員への就職にこだわるのであれば飲食関係や介護関係、年齢が若ければ営業やIT関係にも就職することができるでしょう。
これらの業界は慢性的な人材不足に陥っています。特に若いのであればIT関係で知識と実務経験を身につけることがおすすめです。
若いうちであれば未経験でも雇ってもらえる可能性がある上、IT業界は転職もしやすく新時代の「手に職」と言えます。
高卒公務員は勝ち組?最強?高卒で公務員になるメリットとは
就職では高卒公務員が最強と言われることもあります。筆者も大卒で一般企業に就職し働く友人と、高卒で公務員になった友人を見ていてその違いをひしひしと感じます。
公務員が勝ち組と言われる理由は何なのでしょうか。高卒公務員のメリットをまとめました。事前に給与の安定や待遇はランキングの項目でも述べているため、それ以外をまとめていきます。
①田舎での就職に強い
高卒就職をオーバーオールで見たとき、最も強い理由はこれです。公務員は田舎での就職に圧倒的に強いのは他の仕事では覆せない強みでしょう。
不景気と共に就職先はどんどん減っていきます。就職氷河期と呼ばれた時もありますが、これから10年後20年後とさらに悪くなる可能性も否めません。
田舎ではどんなに学歴があっても働く会社がないということもよくあります。一番問題となるのはせっかく大学を出て就職しても、会社が倒産してしまって次の就職先が見つからないというパターンです。
日本では首都圏に住んでいる人も多いですが、卒業後は田舎(実家)での就職を望んでいる人もいます。
そんな人達にとって安定した公務員は、有名大卒よりも価値のあるものとなるでしょう。
②周囲からの評判
福利厚生や仕事のきつさ以外に馬鹿に出来ないのが周囲からの評判です。「公務員として働いている」というのはそれだけでステータスとなります。
人によっては高収入のベンチャー企業に勤めている人よりも、公務員として働いている人に信頼を置くこともよくありますよね。
特に高卒では肉体的にきつい仕事や数十年勤められない仕事もあります。
例としては土木の現場仕事やITプログラマーです。高卒で就職することはできる他の仕事よりも、出会いや結婚が近づくのは間違いありません。
仕事内容のきつさから見ても一生働き続けることも出来ますし、出産しても育児休暇がしっかり与えられていること、税金の控除があることも見逃せません。
高卒で務員になるには年齢制限がある?
一つ上の見出しで公務員についてまとめましたが具体的に高卒で公務員になるにはどうしたらよいのでしょうか。
高卒と大卒でなれる公務員の種類は変わってきます。高卒の場合なれるのは地方公務員となり、地方初級試験だったりIII類試験を受ける必要があります。
地方公務員の採用試験の内容は、公務員への適性試験や一般教養の問題、作文も課されます。高卒でも受けられる地方公務員の場合は、面接の比重も大きくなります。
「この人は公務員に向いているかどうか」という適性を逐一チェックされるんですね。高卒で公務員に転職したいと思う人も同様の試験を受ける必要があります。
高卒で公務員になるためには年齢制限もあります。高校を卒業して2年以内でないといけないため、卒業してから3年経ってしまった人は試験資格を失効します。
高卒採用の公務員の倍率は?
高卒の公務員の倍率は平成30年度のデータがあります。平成30年度は採用者枠が1,100人に対して12,871人の応募がありました。
倍率にして換算すると10倍以上といったところです。前述の「高校を卒業してから2年以内」ということを踏まえるとこちらも狭き門と言えそうです。
高卒での公務員試験に年齢制限があることも踏まえて「受験資格があるうちは公務員試験に挑戦して、ダメだったら他の仕事を探す」と考えている人もいます。
高卒公務員の年収は?
高卒公務員の年収は大卒の公務員に比べて少し落ちると言われています。大卒の公務員の初任給が18.2万円なのに対し高卒採用の場合は15.3万円となっています。
大卒の公務員との給与の差に怒りの声を上げる高卒採用の人もいますが、大学への入学試験や学費の支払い、公務員試験を経ていることを考えるとやむを得ないと言えるかもしれませんね。
時間が経つごとに出世や昇給などは変わっていきます。採用直後の数年に焦点を当てて考えると、学費のぶん高卒採用の公務員の方が懐は助かるでしょう。
高卒の転職はどう?
高卒で働いている人の中には転職を考えている人もいます。
同じ年齢でも高卒で就職した人の方が、大学を卒業してから就職した人よりも長い年数働いていることになります。
長い年数働いたことで見えてくることもあれば、「10年働いたけど結局後のスキルアップの役に立たない」と踏ん切りをつける人もいます。
製造業で働く人や一般事務として働く人は実地での経験が転職に役立つということはほとんどありません。
高卒で転職を考えるときに何よりも気をつけておきたいことは「経験を積んでスキルアップできる職場であること」と「転職先を絞りすぎないこと」です。
一般事務のお仕事は募集数も多いですが、年数を積み上げても転職で有利になることはありません。若い方が優遇されたり、面接での人柄が決め手となることもあるでしょう。
こういう場合は医療事務や貿易事務など事務にプラスアルファをつけることが大切です。専門的な知識や資格を持っていることで、就職の間口は広がりますし通常の一般事務に応募することもできます。
また転職する際にあまり選り好みをしすぎると失敗する傾向があります。高卒での就職先にはシフト勤務や長時間残業など、肉体的に辛い職種も多く含まれています。
しかしあれはダメこれはダメと減点方式で仕事を決めると、残される理想の仕事は公務員くらいでしょう。自分の中で優先事項をリストアップして「どこまでなら妥協できるか」を明確に設定することが良い転職への近道です。
高卒の年収ランキング!高卒でも給料が高い仕事とは?
大卒を踏まえての年収ランキングでは、高卒の人にとって資格や学歴などの面で不利に働くことが多くありました。
では高卒の年収ランキングについても目を通しておきましょう。高卒の中でも給料が高い職業は、長年のスキルや経験が必要とされるものが多いです。
1位 IT 532万円
2位 建設業 465万円
3位 製造業 454万円
4位 運送業 441万円
5位 金融業 446万円
高卒の中でも給料が高い職業の1位はITでした。おすすめの職業でもあげられていたように給与も高くまた辞めた後も潰しがきく職業と言えます。
しかし同時に不規則な休みや納期前の残業など、健康面に影響を及ぼしかねないほどの激務であることでも知られています。
2位の建設業以下が年収400万円台であるのに対し、ITだけは高卒の給料の中でも500万円以上と群を抜いています。
ランクインした職業を見ると、激務であるのはITだけとは言えないと感じる人も多いのではないでしょうか。
どの職業も「ガッツリ働いてガッツリ稼ぐ」というイメージが強い職業と言えるでしょう。
高卒の初任給は?高卒の平均年収はどれくらい?
続いて高卒の初任給についてみてみましょう。厚生労働省による賃金構造基本統計調査によると、高卒の初任給は16万2千円となっています。
女性のみに限った場合は、15万8千円となっており男女間であまり開きが見られません。
ここから高卒で20代30代40代と年齢が推移していった場合はどうなるのでしょうか。
まず高卒20代前半の平均年収が275万円となっています。20代後半になると288万円に上昇しています。基本給が変わるため大卒よりも若干給与は低いですが、順調にアップしていることがわかります。
高卒で30代前半になった場合その給与は297万円とあがり、30代後半では312万円となっています。高卒の平均年収は40歳を越えても伸び続け、40代前半では327万円となっています。いずれのデータも女性のものとなっています。
60歳を越えるとそれまでの339万円から279万円まで落ちますが、この落ち方は大卒の場合でも同様です。退職したり職場を変えることがメインの要因と言えます。
高卒の給料手取り平均はいくら?
高卒で就職した場合、手取りの平均給与はいくらぐらいになるのでしょうか。まず参考にしたいのは高卒の平均年収についてです。全世代を含めた高卒の平均年収は423万円となっています。
この額面から税金など諸経費を引く必要があります。高卒で就職した場合の、給料から引かれる額を具体的に計算してみましょう。額面から引かれるものは
・住民税 24万6千円
・所得税 14万9千円
・健康保険 21万5千円
・厚生年金保険 38万5千円
・雇用保険 1万7千円
などがあげられます。こうして見てみると額面から引かれる金額はかなり大きく、その中でも厚生年金保険は38万5千円でトップとなっています。
これらの金額を423万円から引くと、322万円となります。ほぼぴったり100万円が税金や保険料として引かれていることがわかります。高卒の給与を手取りにすると全体の平均はこれくらいにまとまります。
高卒で年収1000万にしようと思ったら?
では高卒で年収1000万欲しいと思った場合どうしたらよいのでしょうか。
高卒の平均年収は女性の場合30代前半で297万円、30代後半で312万円と正直1000万円には程遠い給与と言えます。
高給取りである医者の給料が820万円であったことを考えると、医者以上の収入が必要になることは間違いありません。
これは大卒や学歴というようなキャリアだけで簡単に達成できるようなものではなく、高卒で仕事をしながら年収1000万円を目指そうと思った場合は修羅の道です。
現在の仕事を辞めて起業したり、フリーランスとして働く道が考えられます。しかし起業しても1000万円を達成するのはなかなか厳しく、給与が高いIT関係のフリーランスとして働いても1000万円はきついですよね。
個人の力で何とかしたいと思うならばホステスなどの水商売や、性風俗関係の仕事に従事するのが一番確率は高いでしょう。起業するのと違い元手もそれほど必要なく、学歴などのキャリアに縛られることもありません。
高卒で年収を500万にしようと思ったら?
高卒で年収500万円を達成したいと思うなら、1000万円よりもハードルはだいぶ低くなります。
500万円と1000万円では倍の違いがあるため、1000万円は無理でも500万円なら達成できるという人も多いでしょう。
安定して年収を500万にしたいと思うのであれば、現在の職は続けるべきです。平均して300万円ほどの年収が受け取れるため、副業で200万円稼ぐことができればトータルで500万円に達することができます。
フルで働きながら副業で年収200万を得るというのは奇跡に近いことです。しかし転職したり、仕事を辞めて副業のみで500万円を達成しようとするよりは現実味があるでしょう。
もちろん高収入の見出しであげたようにITや建設業、製造業ですでに500万円近い収入を得ているのであれば、ゴールはぐっと近くなります。
まっとうに現職だけで500万円を達成したいと思うのであれば、先の見出しであげたような高収入の業種へ転職することをお勧めします。
土地や物件を持っている人はテナントに貸し出したり、働いたお金を元手に資産運用で増やしていく方法がおすすめです。
特に投資はしっかりと勉強する時間を確保してから望むことで、本業以上に利益を出している人もいます。
まとめ
高卒での就職について人気の就職先や年収、公務員の実態についてまとめました。
高卒だと選択肢が狭められると考えている人も多いですが「大学で遊びを覚えないぶん、高卒で就職した方が人生は楽になる」という人もいます。
高卒で就ける高収入の仕事を見てみても単純作業はありません。スキルアップできる業種について地道に働くことで、年収アップにも楽な転職にも繋げることができるでしょう。