留学エージェントの語学学校で英語力は伸びる?行かなかった人との差は?

留学するときにはそれまで経験したことのないような、新しいものによく出会います。
大使館での手続きやホームステイもそうですし、エージェントの紹介する語学学校もその1つでしょう。
エージェントの紹介する語学学校はいくつも数がありますが、果たして英語力は本当に伸びるのか気になりますよね。
語学学校に行くべきかどうか、迷う人もいると思います。
留学した身としては、語学学校に行ったからといって英語力が上がる人ばかりではない、というのが持論です。
どのような点が語学学校に行った人と行かなかった人で違うのか、差が出来るのはどこか、についてまとめました。
この記事の目次
エージェントが勧める語学学校ではどんなことを勉強する?
まずはじめに留学を控えた人にとっては、語学学校でどのような勉強をするのかが気になるところです。
筆者も語学学校、留学を両方経験しましたが語学学校で初めて経験することも多くありました。
語学学校にも種類がありますが、エージェントが紹介する語学学校には特徴があります。
留学してからの生活や、授業についていけることを第一に考え、出来るだけ海外の学校生活に近い授業スタイルを取っています。
・1クラスは少人数制
・教師はネイティブスピーカー
・授業中に日本語を喋ってはいけない
なども留学することを念頭に置いたポイントと言えます。
少人数クラスであるメリットは1人1人が自分の意見を、深く長く伝えられるようになります。
教師がネイティブスピーカーであることは、エージェントが紹介する語学学校の中でも分かりやすい点ですね。
分からないことがあっても何が分からないか、英語で伝える必要があります。
TOEFLなどの試験をパスすることを目的とした学校は、以上のような特色はなく日本の予備校や塾に近いところも多いです。エージェントが紹介する語学学校の、具体的な点を見ていきましょう。
①授業は全て英語で行う
まず授業が英語で行われることは大きな違いです。
高校でも英語の授業は日本語で進められることがほとんどで、リスニングの授業など限られた時間しか英語を耳にすることはありません。
「明日の授業で使うから油性マジックとハサミ、1グループに1つホッチキスを持ってきて、あと1人3分ほどスピーチの準備も」などありふれた発言であっても、英語で言われると何がいくつ必要なのか、後で思い出すことは難しいです。
最初は聞きとるのに精一杯で、覚えるまで頭がまわらないことも。
意外なことが難しかったり、難しいと思っていたことが簡単だったり。
英語での生活がどんなものになるか、実際に経験できることは語学学校の利点と言えます。
②グループディスカッションの機会がある
語学学校ではグループに分かれて自分の意見を出し合うディスカッションの授業があります。
グループディスカッション自体は欧米圏の国で特によく行われるため、こちらも役に立つ経験だと思います。
自分の意見を発表する、プラス外国語でとなるといきなりネイティブの前では萎縮してしまうかもしれません。
こういった経験を積めるのも語学学校のアドバンテージですね。
定型文で自分の意見を伝えることは出来ても、自分の意見に対して質問が返ってくることも当然あります。
相手が何を言ったか正しく理解するリスニング力、とっさの質問でも噛み砕いて応答出来る対応力は大切です。授業だけでなく日常生活でも同じですよね。
③長時間のリスニング
日本の高校や大学にはない、長時間のリスニングも特徴の1つです。
日本語では簡単な説明でも、外国語で5分10分とずっと喋り続けられると違いますよね。
大体の概要は把握できても、日本語よりも簡単に細かい情報はこぼれてしまいます。
リスニングに集中力を持続させること、外国語を聞きながらメモを取る大変さなどを日常的に経験することが出来ます。
語学学校に通った人と通わなかった人の差は大きい?その理由は?
語学学校で勉強する内容を見ると、どれも有益そうですよね。通った方がいいように思えてきます。
ですが総合的な英語力で見ると、語学学校に通った人も通わなかった人も、そこまで留学中の英語力、成績に違いはありませんでした。
通っていたのに留学しても英語が出来ない人、通っていなかったのに英語が出来る人。語学学校に通ってもそこまで差が出来ない理由をまとめました。
①文法の下積みがキチンと出来ているか
1つ目の理由として文法の下積みです。これがちゃんと出来ている人は語学学校、留学でぐんぐん英語力は伸びます。
先にあげたディスカッションなどが不慣れで、点数を落としてしまうとしたらもったいないですよね。
語学学校に通っていた人でも文法が正確でない人はいます。
筆者の経験では、ネイティブスピーカーに教わる環境にいた人は、英文法を勉強する時間が少ないと感じます。
日本人の英文法の勉強方法は、ネイティブの人達とは当然違います。ネイティブと言っても、英語を日本語で教えるプロではありません。
生の発音や話し方など、教師がネイティブであることを、売りにしている語学学校は多いです。
ですがネイティブの人の発音にどんなに慣れたとしても、英文法の下地がしっかりできていなければ意味がありません。
長い会話を理解し、長文を制限時間内に読むためには地道な勉強が必要なんですね・・・・。
②正しいアクセントを理解しているか
2つ目の理由は正しい発音が理解できているかどうかです。
なまりは別として、正しい発音で話せない人が、相手のいうことを完璧に聞き取れるということはありません。
正しい発音を理解するためには、耳が慣れること、カタカナ英語との違いをハッキリさせることが大切です。
文章などで知り、カタカナ英語として知っている単語は多いはずです。ですがネイティブに伝わるように発音しようと思うと難しいですよね。
「同じ単語を聞いても、母国語によって聞こえ方は違う」というのは有名ですが、日本人とネイティブの間でもこれは起こります。
そもそもの聞こえ方が異なるネイティブに、どうしたらカタカナ英語から脱却できるかを聞いても納得できる答えは得られません。
大きく分けて以上の2つの理由があります。
語学学校に通うことでネイティブの発音に慣れたり、矢継ぎ早に応答しなければならない会話の練習は出来ます。
今までしっかり勉強してきた人が、語学学校に通うことはとても効果的なんですね。
逆に、英文法など基礎がしっかりしていない人が語学学校に通ったとしても、思うように英語力は上達しません。
「英語が全て理解できるようになったわけじゃないけど、語学学校で慣れることはできた」と言っているような人には要注意です。
筆者のまわりでもこれを言っている人は喋れない人ばかりでした・・・・。
語学学校と留学生活の違いはこんなところに
準備はできたと思っても、留学ではなかなか思い通りにいかないことは多いです。外国であれば当然かもしれませんね。
ここでは語学学校に通っていた筆者が遭遇した、語学面でのトラブルについてまとめました。
①マルチタスクでつらい
英語を聞くことのみに集中出来ることは日常ではほぼありません。
目的地に急いで向かいながらの電話、先輩の話に付き合いながらの作業などの「ながら会話」がどこでも普通です。
リスニングのみやリーディングのみなど、英語の中でも1つのことだけ出来る環境は更に限られます。
雑踏でうるさくて、あるいは電話越しで声が聞き取りにくいといったことも頻繁にありました。
「英語が理解できるようになった!」というのは嬉しいことですが、それで終わりではないんですね・・・・。
②ちょっと汚い言い回しでつらい
汚い言葉遣いは語学学校では習うことがありません。当たり前のことですが、これによって苦労することも多いです。
汚い言葉遣いを使う必要はありませんが、理解できないと困ることもあります。
恋バナに1人入れなくて孤立、上司のちょっとした下ネタが理解できず笑わない、など場の雰囲気どころかこちらのイメージダウンにも関わってくることも。
無知は罪、という言葉はあまりにも厳しい仕打ちですが外国にいる以上、その国の言葉は理解できて当然なのかもしれません。
ハロウィンコスチュームを着た日本人留学生が、近寄るなと警告されているにも関わらず現地人に近寄った結果、射殺されてしまうという事件もありました。
日本人は言葉が分からなかったため、確認しようと思い近寄ったようです。こんなことがないようにしたいですね。
③教師がインド人でつらい
英語は留学前事前に勉強していった筆者でしたが、入学後の教師はインド人でした。
アメリカのような他民族国家では珍しくありませんが、当時は面食らったのを覚えています。カレーのにおいはしませんでした。
発音や言い回しもネイティブとは全く異なるため、非常に苦労したことを覚えています。
イタリア人やフランス人などヨーロッパの人に比べて、アジア系の英語は聞き取りづらいと感じる人が多いです。
語学学校に通って勉強することも確かに大事です。一方で自分の予期しなかったことに、重要な結果を左右されることも留学ではよくあります。めげずにがんばりましょう。
まとめ
語学学校に通った人と通わなかった人の違いは、思ったよりも小さいです。明確な違いはやはり基礎力によるものが大きいです。
しっかりとした下地があれば、留学後1年~2年くらいで不自由なく喋れるようになります。
留学後の生活も考えて、語学学校の選択を考えてみてくださいね。