40代転職の現実とは?40代でする転職の成功率や資格についても
「40代の転職」と聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?リスクや待遇の改善、子供の有無も関わってくることが予想できますよね。
40代の転職希望者が重要だと思っていることは
・会社の考えが自分に合うか
・人間関係の改善
・今のまま働くことへの不安
などがあげられました。総じて「転職後への明るい希望」というよりは、鬱屈した現状を打破したいと思う人が多いことが分かります。
また、年収500万円以下の転職希望者が給与、福利厚生への不満を多く抱いているのに対し、年収1,000万円以上の人は自己実現のための転職を傾向として求めていることも分かりました。
40代転職者の意見、データを基に失敗しない転職をつかみましょう!
この記事の目次
40代の転職は厳しい?40代転職の成功率は?
まずは40代転職者の成功率をデータから見てみましょう。やる気は確かに大事ですが、確率も大切です。統計を見れば成功する転職の傾向も掴めるでしょう。
①転職成功者の平均年齢は31.6歳
「みんなは何歳で転職している?」(https://doda.jp/guide/age/)によると、転職成功者の平均年齢は31.6歳であることが分かります。
20代でのキャリアアップを経験して、我慢した職場から解放されたいと思っている人が多いです。
40代以上の割合に目を向けてみると、14~16%です。転職成功者の6~7人に1人しかいないんですね。転職成功者のうち25~29歳、30~34歳が実に6割を占めています。
転職者が多いということは、この年代の転職希望者を受け入れる会社側にも、準備がされていることが予想できます。「30代までに転職しておきたい」と考えている人が多いことにも繋がります。
転職成功者の平均年齢については高い順に
- 建築、土木 34.7歳
- 企画、管理 34.5歳
- 事務、アシスタント 33.1歳
となっています。逆に平均年齢が1番低いのは販売やサービス系で28.7歳でした。
②転職者の平均年齢が低い業種と理由は?
販売やサービス業従事者、営業の仕事をしている人は転職者の平均年齢が低いです。何か理由があるのでしょうか。
平均年齢が低い理由をクリアできれば、年齢が高くてもスムーズに転職を運べそうです。
販売、サービス系と営業の転職希望者の声は共通しています。
- 体力的にキツい
- ブラックが多い
- 土日に思ったように休めない
- 長期休暇がとれない
- キャリアアップできない
このような理由があがりました。専門的なスキルや資格を手に入れることが難しく、また待遇もキツいんですね。
「今は若いからいいけど、この先を考えたら・・・」と将来に対する不安を抱いてしまうのも頷けます。
「若いうちにキャリアを積む必要があった」という人には40代での転職は向かい風になってしまうでしょう。
40代が転職を希望する理由とは
続いて40代が転職を希望する理由をピックアップしてみます。こちらも意外と思えるものは少なく、現状への不満が転職の大きな理由となっていました。
「ミドルの転職理由」について(2018年版)(https://mid-tenshoku.com/enquete/report-146/)を基に見てみましょう。
①会社の考えが合わない
会社の考え方や方針が自分の求めているものと違う、というのが最も多い理由となっています。
ちょっとぼやっとした理由ですが、現職場への不満が最大派閥となっていることが分かります。
1番多いのは年収が800~999万円の層です。実に3人に1人はこの範囲内となっています。給与や福利厚生面での待遇にも不満がなく、仕事への意味を問いかける人が増えるのがここの年収ゾーンからと言われています。
②会社の将来が不安
会社の将来が不安との意見も転職理由として根強くあります。経営が危ない場合は、コストカットを理由にリストラもありえるでしょう。
会社の将来への不安はそのまま、自分の将来の不安とも直結してしまいます。
年収別で1番多かったのが499万円以下でした。会社の経営に不安を持っている社員が多いこと、危機感を感じて転職を考えていることは想像に難くありません。
③人間関係がよくない
職場の人間関係を理由に転職を考える人もいます。20代や30代の転職理由のトップであるこの理由ですが、40代以上では控えめとなっています。
40代まで働けている時点で、職場での人間関係をある程度うまく調節するスキルが身に付いているのでしょう。
人間関係を理由に転職したとしても、リスクがある上転職先で人間関係に恵まれるとは限りません。
転職理由の9割は人間関係と言われることもありますが、年齢を重ねれば重ねるほど、転職は難しくなっていきます。
④給与に不満がある
給与に不満があるのも典型的な転職の理由としてあげられています。3割超は年収499万円以下でした。
同じ499万円以下でも、年収499万円と年収180万円ではだいぶ事情も異なってくるでしょう。給与面での苦労を理由に、転職を考えることは妥当です。
現在年収が増えると共にこの傾向は少なくなりますが、年収1,000万円以上の人でも8%の人は給与を理由に転職しています。
充分な給与かどうかは、ワークライフバランスや個人の考え方にもよることが分かります。
40代での転職は年収がダウンする?
40代の転職理由の1つとしてもあげられた年収ですが、実際に転職した後はどれくらいの変化があったのでしょうか。
「転職に伴う年収変化」について(https://mid-tenshoku.com/enquete/report-153/)によると、転職を機に年収が上がった人は52%にのぼるとされています。
その中でも「経験が活かせるポジションであること」が転職の際に最も意識されていることが分かります。
40代と言えばバブル崩壊後の10年で、就職しなければならなかった世代です。
超就職氷河期とも呼ばれる時代に職を得て、その後に08年のリーマンショックがありました。ロスジェネ世代と呼ばれることもあり、社会人経験の浅いうちはひたすら我慢が必要でした。
ここまで我慢を重ねて積み重ねた経験を活かして、更なる給与を求めようとするのは合理的です。転職で意識したこと2位にあげられいる「将来性のある企業であること」とも合致します。
転職希望者のうち、現在年収をあげたいと思っている人の割合も53%となっています。転職する際に、お金は切っても切れない関係であることが浮き彫りになりました。
40代の転職にはリスクがつきもの?40代転職が厳しい理由
「40代での転職は難しい」と20代や30代と比較して言われることは多いでしょう。厳密に問題となるのはどんなポイントなのでしょうか。
年齢が上だからダメ、というような単純な問題ではなく、企業にとって扱いやすい人材であるかどうかが大切です。
- 現職に活かせる経験値があるか
- 要領よく仕事に慣れることができるか
- 長い年数働くことができるか
- 残業や出向などできるくらい身軽か
- 職場の人間との年の差はありすぎないか
掘り下げると上記のような内容があげられます。どれも転職する際には人材を判断する上で重要な事柄であると同時に、年齢を重ねると多くのポイントで20代30代などの若い従業員に遅れをとってしまいます。
転職をするとなると同世代の40代だけでなく、それより若い20代や30代とも比べられることも、40代の転職が厳しい理由と言えるでしょう。
30や40で積んできたキャリアがないなら、若い方を取らない理由はありません。40代での転職は同業じゃない限りは厳しいと言われるのも仕方がないことなのかもしれません。
40代の転職!未経験の職種への転職は失敗する?
ここで気になるのが未経験の職種への転職はどう考えられているかです。転職希望者の中には、業界や職種全体に嫌気がさしている人もいるでしょう。
未経験への転職は難しいと言われていますが、実際に未経験の職種に移った人の意見も気になります。
①異業種に移った人の割合は?
「異業種への転職」について(2018年版)(https://mid-tenshoku.com/enquete/report-151/)によると、異業種への転職を希望している人の割合は69%と出ています。かなり高いですよね。
新しい経験をしたい、仕事の幅を広げたい、など給与以外の仕事に求める面が強く反映されています。
転職の失敗成功の判断をどこに置くかは難しいですが、知識を増やしたり新しい業界に踏み出すことに価値を感じる人にとっては40代の転職も成功と言えるでしょう。
②自分の職や業界への目線の変化
40代ともなってくれば、勤めている会社のみならず業界全体の事情にも詳しくなっているでしょう。
出世など将来への見通しや普段の出費、会社の将来をより深く知った人が、転職を希望するのは自然と言えます。
総じて給与や職場、業界全体への不満から転職を求める人が増えています。40代での転職希望理由に「今の会社と自分の求めているビジョンが合わない」と答えていることとも一致します。
③待遇を考慮するなら早めがベター
異業種への転職を希望している人が7割もいることは一見驚きに感じます。
しかし上記のような事情をふまえると「転職するほどの理由」を持っている人が40代で転職することが分かります。20代30代での転職よりもよりリスクがあり、思い切った決断となるんですね。
異業種への転職という意味では年齢をのぞいて20代30代と大きな違いはありません。初めは誰しもが未経験です。
新しい視点を持てる職業に就けたということに喜びを見出す人であれば、異業種への転職もおすすめです。
ですが「前の会社との給与差」や「安定」を求める人にとっては早めがベターであることは確かです。20代、せめて30代のうちに未経験職種に転向したいものです。
40代からでもできる仕事
では具体的に40代からできる仕事には、どんなものが例としてあげられるでしょうか。もちろん資格や経験を活かしたい人は、それをベースに関連のある職を探すことがおすすめです。
しかし職歴や資格は人によって違います。ここでは無資格や未経験で、40代からでも正社員になれる可能性のある職業をまとめました。
傾向として安定のために何かを犠牲にする必要があります。
①工場勤務
工場勤務は未経験でも比較的正社員につきやすい仕事の1つです。男女関わらず求人があり、住居があてがわれることもあります。
製造業が社会のセーフティネットとなっている部分は確実にあるでしょう。
給与も安定しており、年収300万ほどを稼ぐ人もいます。慣れてしまえば後は楽と感じる人が多い業界です。
デメリットはやはり体力面です。シフト勤務は当たり前、ものによっては騒音や暑さ寒さ、死亡事故が起きてしまうこともあります。
長時間の労働で集中力が落ちてしまうときに事故などは起こりやすいです。怪我をしやすい環境であることに加え、できれば労災にしたくない会社の思惑も強く働きます。
②介護職
介護福祉士などをはじめとする、介護に携わる職です。1番の工場勤務もそうですが、日本社会になくてはならない職業のため、職を見付けるのも他職よりは容易です。
人手不足が激しい現状から、40代でも間口は広めです。仕事につくことは比較的簡単ですが、継続は難しいと言われています。
こちらも体力勝負のため、体に自信がある人にはおすすめです。
人と接することが苦にならない人、薄給でもいいから違う職業につきたいと考えている人は介護職を考えてみてはいかがでしょうか。
③長距離ドライバーなどの運送業
こちらも体力的にはキツい仕事ですが、他の業界に比べれば40代の求人は多めです。
自分も荷物の積み降ろしを担当したり、長い時間運転したり。腰をはじめとした体への負担はやはり大きいです。
人と接する仕事が苦手だという方にはこちらの方が気が楽という人も多いです。最終的には4tトラックなど資格が必要となってきます。男女問わず体を使うことが大前提の仕事となります。
どれも体力が資本の仕事が多くあげられました。未経験でも就ける仕事は、総じて経験がなくてもできる仕事として扱われてしまうことがよくあります。
まして正社員ともなると肉体的にきつかったり、危険が伴う仕事がほとんどです。
逆に黙々と作業をすることが気にならないなど、適性を備えている人にとっては転職することでストレスフリーな生活を送れるようになるでしょう。
特に人間関係が理由での転職は多いため、40代で未経験の職につきたいと考えている人には工場勤務などはうってつけと言えます。
「転職はできたけど、今の仕事は将来がない」とならないよう、自分が仕事に求めるものと相談して決めましょう。
40代の転職で資格をとるなら?あったら有利な資格
40からでもできる未経験の仕事の次は、40代で転職する際に有利となる資格についてです。
資格は「取得したからすぐに転職できる」というものではありません。実務経験がないと資格を取得しても結局雇われず、経験を積む事ができない悪循環に陥ってしまいます。
前職と関係がありつつ、40代での転職を飛躍させるような資格は以下のようなものです。
- 宅地建物取引士
- マンション管理士
- 行政書士
- 介護福祉士
- ファイナンシャルプランナー
- 中小企業診断士
住居や経済、司法や介護など社会生活の根幹となる仕事に関する資格が有利とされています。特に法律や住居などはいい加減な仕事をしてしまうと大きな事件や事故にも繋がります。
「資格は持っていて当然」という風潮は根強くありますよね。
筆者は翻訳や通訳の仕事をしていましたが、TOEICなどの資格が重視されることはほぼありませんでした。
資格は世の中に溢れているため、せっかく苦労してあまり重視されないものも多くあります。「実務経験~年以上」の方が資格よりも遥かに効果的だったりもします。
自分が取得しようとしている資格が、本当に転職先が求めている資格か見極めることは大切です。スマートに試験勉強しパスするためにも、資格取得へのビジョンを明確に定めましょう。
40代転職におすすめの転職サイト
最後はおすすめの転職サイトの紹介です。転職サイトはタイプごとに分かれており、どれか1つに絞るのではなく複数を平行して使うことが大切です。
せっかくよりよい求人があっても、自分の使っているサイトにだけ求人募集が出ていなかったとなってしまっては大損です。
おすすめのサイトの傾向としては人の出入りが多く、情報の伝達速度が早く量も多いサイトです。
①リクルートエージェント
リクルートエージェントは名前もよく知られており、利用したことがあるという人もいるのではないでしょうか。
転職エージェントタイプと呼ばれるもので、自分の現在の資格や職歴などをエージェントと相談しながらマッチングを進めていく手法をとっています。
自分1人では何から始めたらいいのか分からない、という人や転職のための情報があまりにも少なすぎる、という人にはおすすめです。
②FROM 40
FROM 40はサイト名の通り、40代以上の転職を専門に扱っているサイトです。募集を出す側も40代以降であることをあらかじめ知った上で出しているため、段取りもスムーズに進みます。
「自分のプロフィールを置いておくことで、目にとまった人から声をかけられる」スカウト機能もついています。
忙しい時間でも通知をチェックするだけでいいので、時間をうまく使うことができるでしょう。
③ビズリーチ
ビズリーチは、年収600万円以上の求人が多く掲載されています。年収アップを狙って転職を考えている人におすすめです。
管理職や専門職の求人も多数紹介されています。
40代~50代の求人が多く、ミドル層に人気の転職サイトです。
まとめ
40代の転職について、転職希望者の理由や実状、役に立つ資格やおすすめサイトなどをまとめてきました。
40代の転職のライバルは20代30代であるため、難しいとよく言われます。ですが、同時に転職に有効な資格などは、現職からの経験や知識から取れるものもあるはずです。
勤務経験が長い40代だからこそ、自分の持っている武器を活かしたいですよね。
もちろん、40代での転職を知り、若いうちから転職にそなえるという人にも転職情報は間違いなく役立ちます。
正しい情報をより多く集め、満足いく転職を実現させてくださいね!