20代の転職におすすめの職種は?20代の転職は失敗しやすいの?
転職は誰しもが経験少なく、不安に思うことです。「転職の達人」なんて人がいたら逆に信用できませんよね。
転職エージェントもデータから傾向をはかりはしますが、本人が転職を重ねているわけではありません。大切な情報は自分で集める必要があります。
20代で転職する上で重要となってくるのは
・20代での転職はおよそ3割
・焦って転職しないこと
・20代前半で職歴を積んで後半で転職
という事柄です。転職はあらかじめ考えておくもので、長い時間をかけてじっくりと転職先を吟味した方がもちろん成功確率は高まります。
20代での転職に必要なものは何か、時期はいつがベストなのかまとめました。
この記事の目次
20代の転職率は?
まず知っておきたいのは20代での転職経験者がどれくらいいるかです。
職業や学歴に応じてかなり差があるため、「20代でも転職は当たり前」と考えている人もいれば「20代で考えるのは早すぎる」と感じる人もいるでしょう。
①20代での転職経験者は3割
厚生労働省発表の平成29年雇用動向調査結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-2/dl/gaikyou.pdf)によると、
20-24歳
男性 14.1%
女性 14.7%(パートも含む)
25-29歳
男性 15.4%
女性 17.2%(パートも含む)
との割合がでています。男女共に20代のうちは15%付近であること、男女間でそれほど違いがないことが分かります。
女性の場合パート従事者も多いため、定年を迎える60歳以降をのぞいて女性の転職率の方が男性よりも高いことも納得です。
10人のうち1人ちょっとが転職している計算になります。1年の計算のため、20代全体で見ると3割程度が転職しているといえる結果となりました。
②転職成功者の多くが若年層
みんなは何歳で転職している?(https://doda.jp/guide/age/)という記事には転職して成功したと感じた人の年齢分布も掲載されています。
中でも注目すべきは25-29歳までの転職成功者の割合です。2018年上半期が39.6%、下半期が38.9%と非常に高い数字を誇っています。
転職してうまくいったと感じる人は20代後半での転職が多いんですね!これは1つの大きな目安となるでしょう。
③転職の理由は?
20代での転職の代表的な理由についても気になるところです。ここでは前職をやめた理由をまとめました。
1番は労働条件が悪かったこと。労働時間や休日など、前職の待遇が悪いというパターンです。20代の転職経験者のおよそ2割がこれを理由としています。
2番目に収入が少ないことがあげられています。給与に見合わない労働をしていると感じている人が多くいました。
1番と合わさると強烈ですよね、どちらかせめて片方は充実していないとやっていけません。
3番目は仕事の内容に興味を持てなかったことがあげられています。特に20代前半のうちは「まだやりなおしが効く」という言葉もあります。
若年層であればあるほど「この業界に一生を捧げていいのか」と悩んでいる実態が浮き彫りとなりました。
新卒の離職率は?
続いては新卒者の20代の離職率をチェックしてみましょう。
これまでの情報で20代の転職者が3割ほどで、なおかつ転職成功者の4割弱は20代後半などの若年層であることが分かっています。
①高卒の離職率
高卒の離職率を見てみると
- 1年目 21%
- 2年目 12.5%
- 3年目 8%
とでています。高卒で新入社員になってから1番離職する割合が高いのは1年目で5人に1人なんですね。
逆に1年耐えられれば後は精神や体が慣れていくこともあり、3年目には8%と半分以下にまで落ちています。
②大卒の離職率
大卒の離職率を次は見てみましょう。
- 1年目 12%
- 2年目 10%
- 3年目 8%
と高卒よりも低い数字でまとまりました。特筆すべきは1年目で、高卒者の21%に比べて大卒者は12%の離職率です。
しかし一方で2年目以降はほぼ違いがありません。高卒者も大卒者も離職率の違いは1年目だけだということが分かります。新卒離職者もおよそ10人に1人、10%前後なんですね。
20代の転職回数は何回?
20代での転職回数は何回くらいが相場なのでしょうか。離職者の理由にあるように「やめたいけどやめていいのか迷う」という人は多いでしょう。
①20代での転職経験者は少数
1回の離職で経歴に傷がつかないか、平均やベストはどれくらいなのかを見ていきましょう。
年代別の転職回数と採用実態(https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/5883/)によると20代での転職回数は
- なし 76%
- 1回 16%
- 2回 6%
でした。ほとんどの人は2回までとなっており「そもそも転職していない」人が圧倒的多数となっています。
転職していない人が多数派であることに確かに驚かされはしますが、それでも4人に1人は20代のうちに転職していることが分かります。
②30代での転職がキーポイント
ここで見逃せないのが30代での転職回数です。20代での転職経験者が少数ということと、30代以降どう転職の舵取りをしていくかは別問題ですよね。
転職を考えるのであれば前段階での準備が必要です。
- なし 47%
- 1回24%
- 2回 16%
30代での転職経験者は上記のようになりました。30代を迎えると転職未経験の人の方が少数となっています。
2回以上経験している人も増えてきて「転職がいけないこと」と考えられる年齢層をいくぶん抜けてきていると言えるでしょう。
③20代後半での転職を視野に
ここで改めて思い出してほしいのが「転職成功者の4割は25-29歳」ということです。転職を考えている人はここが分岐点となるんですね。
30代に入ってからの転職が遅いわけではありません。しかし30代で余裕を持った転職をしたいと思う人でも、準備は20代からしておくのが成功への勝ちパターンと言えそうです。
転職回数はごまかす方がいいの?
「転職回数が多いと印象が悪い」という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。そういった風当りを感じた人もいますし、転職回数が多い人を採用したいと思う会社は稀でしょう。
先ほどのデータでも転職回数は0-1回が20代では大半を占めていました。転職回数多すぎと感じさせるのはマズいように思えます。
具体的にどこからが多すぎるボーダーと呼べるのでしょうか。また、転職回数がマイナスにならないときはどんな時なのでしょうか。
①大多数の回答は3回
年代別の転職回数と採用実態(https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/5883/)によると、転職歴は3回目からが気になると答えた人が4割で圧倒的でした。
2位が4回であることからも、3-4回転職を重ねていると転職回数多すぎだと感じる人が多いようです。なんとなくのイメージでも納得できる回数ですよね。
②転職回数が気にならないケースは?
転職回数がマイナスイメージにならないときももちろんあります。会社都合での退職はその最たるものです。
前職をやめた理由が自分の都合でない場合、転職した経験があっても気にする必要はありません。
外資など職種によってはやむを得ず転職しなければならない状況もあります。
③短期での転職は悪影響
逆に数ヶ月での転職は悪く取られる可能性が高いです。数ヶ月で人員カットする可能性がある会社は、新規で取りません。
転職回数が多いと履歴書の書き方にも空白が出るなど影響が出てきます。
基本的にアルバイトやパートの期間は履歴書に記入する必要はありませんが、転職を何度も繰り返しているようだと、応募してきた個人に問題があるように見えてしまいます。
20代の転職活動期間はどれくらい?
次に、転職活動する期間の長さについてです。20代での転職を考えるとなると、次の職場を探すためのステップを1つずつ踏んでいかなければなりません。
①86%が在職中に転職活動
1万人が回答!「転職活動」実態調査 ―『エン転職』ユーザーアンケート―(https://corp.en-japan.com/newsrelease/2018/15337.html)によると「在職中に転職活動する」と答えた人が全体の86%にのぼりました。
高い数字ではありますが、こちらもうなづける結果ではないでしょうか。働いていない間給与が入らないことも問題ですし、何よりも働いていない空白期間ができてしまいます。
すっと次の職業を見つけられればよいでしょうが、必ずしも保証があるわけではありません。数ヶ月や数年仕事がない状態が続いたら・・・と考えると心配になってしまいます。
少し大変でも在職中に転職活動を平行して進めていきたいと思うのは不思議なことではありませんよね。
②転職活動期間は3ヶ月以内が多い
転職活動している期間は
- 1ヶ月以内 29%
- 1-3ヶ月 53%
- 4-6ヶ月 13%
という結果が出ました。1ヶ月以内と答えた人も含めると、3ヶ月以内に次職を見つけている人が8割超と最多です。
「転職活動は今の仕事をやめてからゆっくりやりたい」
「やめたいけど仕事が激務すぎてそれどころじゃない」
という人も1-3ヶ月をリミットに設定して転職活動してみてはいかがでしょうか。
20代はまだ働き手として若いこともあり、30代や40代以降と比較しても早く同業種でも職が見つかります。
「今はきつくてそれどころじゃない」という人も、これから先転職活動がより楽になることはないでしょう。
20代の転職で未経験職種への転職は?
転職を考えるときに、次の職業はどうするかは避けて通れない問題ですよね。
20代の転職理由の1つに現在の待遇がよくないことがあげられていましたが、それでも次の職業は見付けなくてはなりません。
①9割が未経験職種に意欲
20代転職希望者の9割は、未経験職種への興味あり。8800人に聞いた「未経験職種へのチャレンジ」(https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/11737.html)によると、20代で転職を希望している人のうち、未経験職種に興味があると答えた人は全体の9割にものぼりました。
- 興味のあるジャンルの仕事をしたい
- 給与を上げたい
- 専門的なスキルを身につけたい
などが理由でした。離職の理由ともなっている「今の仕事に興味を持てない」とも合致する結果となっていますね。
②前職と違う業種に就きたい傾向アリ
若いこともあり、未経験の職種であっても意欲的にチャレンジしてみたいという気概があることが分かります。
同時に給与を上げたい、スキルを身につけたいなど前職を経験したことをフィードバックとして次職に繋げたいと考えている人も多いです。
20代での転職希望者の多くが、転職前の前職と違う職業に就きたいと思っていることも興味深いですね。
今の職場の労働環境がツラい、スキルが身につかないなど長続きさせても仕方がないと見切りをつけている人も多く見受けられる結果となりました。
20代転職におすすめの職種
では転職すると決めた場合、具体的にどのような職種が20代の転職希望者におすすめとなってくるのでしょうか。
1つ1つ興味のあるジャンルの仕事に就いていたのでは、何も身に付きませんし時間も足りません。
①20代での転職に大事なポイント
20代で転職を志すなら気をつけておきたい点が大きく分けて3つあります。
- 供給に対して需要が多い
- 景気に左右されにくい
- 潰しがきく
ことが次職を見極める上で重要なポイントになってきます。
需要が多い職業は逆に言えば、供給が追い付いていない職業でもあります。
供給が追い付いていない職業は人手不足の傾向があるため、未経験の人でもとってもらえる可能性がより高まるでしょう。
また、長い目で見て景気に左右されにくいことも大事です。1度不景気の煽りを受けて業界が冷え込んでしまうと、いくらスキルがあろうと業界のどこに行っても貧乏暇なしの劣勢に立たされてしまいかねません。
介護や建築、IT関係などは転職の際にも有利と言われています。確かにどれも人々の普段の生活に必要なものですし、介護などは人手不足が叫ばれて久しいです。
IT関係などは激務と言われていますが、手に職をつけていくことで潰しのきく職業でもあります。こちらは30代や40代になってから勉強しようと思っても、なかなかできるものではありません。
若いうちに経験を積むことでスキルアップしていける職種であれば、早いうちに業界に飛び込んでしまった方が間違いなく賢い選択となるでしょう。
高卒20代におすすめの職種
1つ上の見出しではITや医療系など、大卒の人を対象とした職業が多くあげられました。一方で高卒者におすすめの職種もあります。
- 工場などの製造業
- 外食系
- 介護関係
- 現場仕事
以上のような職種は大卒である必要がなく、過去の職歴についても問われることがあまりない職業と言えます。
職人などの仕事は勤続年数を積み重ねれば給与面でもアップしていくでしょう。
傾向として大卒者よりも絞られてしまいますが、ここはどうしても仕方がありません。「大卒以上」と募集要項に書かれていることが多く、そもそもスキルアップするにも最初の関門で引っかかってしまうこともあります。
逆に転職先で長く働いていくことができれば、そこでの待遇はじょじょによくなっていく可能性もあります。
まだ働き先を見つけやすい20代のうちに、長く働ける業種を見極めるのがポイントになってきます。
20代の転職におすすめの転職サイト
最後に20代におすすめの転職サイトについてのまとめです。転職サイトを使う上でも注意すべき点はいくつかあります。
①焦って転職失敗しないために
20代でも転職は早くないこと、転職をきっかけに成功している人がいることも事実です。
ですが、転職成功者は念入りに時間をかけて「後悔しない転職」をしていることを忘れてはいけません。
- 準備期間をしっかりとる
- 下調べをしっかりとする
- 転職した後の将来を考える
20代で転職失敗というのは恐ろしい経験ですし、できればしたくないのは当然ですよね。現職がつらい場合、できるだけ早く今の職場から離れたくなりますが、焦りは禁物です。
転職先の待遇や評判、給与や休日祝日の有無などできる範囲でも調べられることはたくさんあります。
早く職を変えたくて準備なしに飛びついても、また同じ理由でやめることは目に見えています。
キチンとスキルアップしていける職場なのか、昇給制度はあるのか、など次の職業につく前に考えるべき問題は多くあります。
自分が転職に求めているものを見失わないように、しっかりと情報を収集して整理していきましょう。
②20代のための転職サイトは豊富
転職サイトは現在数多く、多種多様なサイトがあります。もちろんおすすめは複数のサイトを使い、自分が仕事に求めている項目をクリアしている会社と出会うことです。
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- doda
- ハタラクティブ
などの転職サイトは求人も多く、おすすめです。
リクルートエージェントやマイナビエージェントはその名の通り、エージェントを通して自分の強みのアピール方法や面接攻略法なども教えてくれるため、勝手がわからない人には心強い味方となるでしょう。
もちろん、おすすめの転職サイトを使っても最後に勝負するのは自分自身の中身です。
転職サイトや転職エージェントからもらった情報を精査し、自分で納得する決断が転職の成否を握ります。
まとめ
20代の転職について転職経験者の割合や成功率、おすすめの職種や転職サイトをまとめてきました。
20代での転職は初めての人が多く、一生のことと考えると気も重く不安です。
ですが転職経験者も3割いること、30代では過半数が転職経験していることを考えると決して早いわけではありません。
現在働いている自分の職場環境に見切りをつける場合でも、焦ってはいけません。
その職種に長期的な需要があるのか、会社の給与待遇は確保されているのかなど、落ち着いて判断することが転職成功への大きな一歩となります。